省エネ・温暖化防止・リサイクルに貢献するグラスウール断熱材
 


 ところで、環境問題ってなんだろう?


地球温暖化現象でモルディブが消えてしまうころ、シベリアで作物が豊作になる。

 

 今年(2004年)日本列島を襲った猛暑や台風は、私たちの日常会話のなかに“地球温暖化”“異常気象”という言葉を頻繁に登場させることになりました。
 なかには、小学生の娘や息子から「地球温暖化ってなぁーに」「それって悪いことなの」と聞かれた両親もいるのではないでしょうか。この素朴な質問に大人はどう答えればいいのだろうか、戸惑ってしまう大人も多いはずです。
 「昔は、こんなことはなかった」といっても、いまの小学生は納得しないでしょう。ましてや親子のコミュニケーションを大切にしている家庭にあっては、もう少し気の利いた会話を望むものです。
 「そりゃー、悪いことだよ」「どうして」「日照りが続くと、干ばつといって米や野菜が収穫できなくなってしまうからね」「スーパーに行けばたくさんあるけどね」
 「そういう問題じゃ、ないんだ」「どういう問題なの?」「つまり、……」この先は、読者のみなさんが続けてみてください。

地球に熱が溜まり、気候変動が起きている
 

 人類が石油などの化石燃料を使用して以降、地球は着実に温暖化しています。その原因はCO2をはじめとした大気中の温室効果ガスの濃度が高くなっているからです。
 1950年代から科学者たちにより、CO2濃度の測定が始められ、信頼できるデータがあります。また、それ以前についても、南極やグリーンランドの氷床をボーリングして採集した氷を分析してCO2濃度を測定しています。
 こうしたデータから地球に熱が溜まり、その増加率が急速に早まっていることが分かってきたのです。
 このまま地球に熱が溜まっていくと、南極の氷棚が崩壊し、高山の万年雪が融けて、海面の高さが上昇。2100年には海面が50cm近く上昇(1995年比)すると予測されています。
 そうなると、インド洋に浮かぶ島国のモルディブは水没してしまいます。モルディブの島々は高いところで海抜3m位、平均1mでしかないのです。50cm上昇すると国土の80%が水浸し状態になるといわれており、これでは高波が押し寄せたら、とても人間が住めるような環境ではなくなります。
 地球温暖化の問題は、モルディブにとって国家存亡の危機です。しかも皮肉なことに、モルディブのCO2排出量はほんのごく僅かなのです。
 世界のCO2排出量の合計を100%とすると、アメリカが24.4%、中国12.1%、ロシア6.2%、日本5.2%、インド4.7%と続いています。モルディブはというと0.0005%にすぎません。
 モルディブが水没するころ、厳寒の地であるシベリアで作物が豊作になるという話もあります。気候変動が起きて穀物や果物の栽培に適した地域になるというのです。
 しかし、この話は大きく変わる気候変動を分かりやすいたとえ話にしたにすぎません。その前にシベリアのタイガーと呼ばれる針葉樹の森林が壊滅状態になることでしょう。
 タイガーは永久凍土の上に形成された森林地帯なのです。夏になり永久凍土の表面が溶けて表土が柔らかくなり、木の根を成長させ水分も補給しています。その表土の下は数百メートルにも渡って凍土が眠っています。
 地球温暖化が進み厳寒の地でなくなったら、永久凍土がさらに深いところまで融け、水が溜まりそのうち湖になり、木は倒れ、永久凍土に閉じこめられていた有機物が分解しはじめメタンガスが大量に発生すると予測されているのです。すでに、その兆候が出始めていると科学者たちは警告を発しています。
 さらに悪いことに、メタンガスはCO2の20倍もの温暖化効果を発揮します。そうなってしまえば、悪の循環が加速度をつけて、人間の手に負えないとんでもないことになってしまうでしょう。


癌に冒された地球に何かできることは…
 

 私たちにできることは、もっと地球のメカニズムを知ることだと思う。これは、癌が不治の病といわれていたころの、告知すべきか否かのテーマと似ているかもしれません。
 癌に冒されると、治療方法がないので死を意味した時代がありました。そのため、医師は癌患者に癌であることを知らせるのをためらい、家族にだけ知らせていました。
 それは、本人が“死”以外に選択肢がないことを知ることは酷いことであり、あまりにも残酷だという、温情が優先されたからでしょう。ですが、いまだ死因のトップは癌ですが、近年必ずしも癌は不治の病ではなくなり「告げるか、告げないか」を議論する段階はおわり、事実を伝え、その後どのように患者を援助していけるか、という段階に入っています。
 「地球はいま癌に冒されている」その疾患の原因である癌細胞は、我々の経済活動であると考えてみましょう。科学者は医師の立場にあり、我々は癌細胞の一員であると同時に患者(地球)の家族でもあります。
 「患者は危機的な状況にある」と告げる医師もあれば、「確かなことはまだ分かっていない、様子をみよう」と癌であることを告げない医師もいるだろう。家族の我々は事実を知り、患者のためにどのような援助ができるのかを追求していくべきでしょう。
 とはいうものの、癌細胞になぞらえた我々の経済活動は、ものすごく複雑なシステムが絡み合って構築されています。そのため、自分がいまどの位置に立っているのかを知ることは至難の業です。
 ただ、はっきりしていることは、自動車に乗り、電気やお湯を大量に使って吐き出されるCO2が、熱を閉じ込め温暖化現象を助長させ、その結果、気候変動を招きモルディブやシベリアの森林にそのツケが回ってくるということです。
 “豊かさは自分に、ツケはみんなで負担”それなら、そのゲームに乗らなきゃ損だ、という人間の傲慢さこそが癌細胞なのです。
 でも、我々は少しずつではあるけれど、家族として地球をいたわる優しさを持ちはじめています。