省エネ・温暖化防止・リサイクルに貢献するグラスウール断熱材
 


 ところで、環境問題ってなんだろう?


自然素材に囲まれた家は住み心地がいい、
科学技術に頼る生活は良くないのか。

自然素材に憧れる人が増えている
 

 無垢の木材をふんだんに使い、漆喰や土で壁を構成した、いわゆる自然素材を活かした家づくりに人気が集まっています。そうした家に住んでいる人は異口同音に「心が安らぐ」「快適である」「健康にいい」「古くなるほど味がでてくる」と、住み心地の良さを強調しています。
 また、そうした“家自慢”ともいえる話を聞いている人も「やっぱりねー」といった感じで納得しているようです。いまや自然素材は憧れの対象になっているといってもいいかもしれません。
 自然素材が注目され始めたのは、10年ほど前からで、シックハウス症候群が社会問題となり、室内環境のあり方に関心が集まったころからでした。シックハウスについては、いまさら説明することもないでしょうが、住まいのなかに多種多様な化学物質が使われるようになり、なかでもホルムアルデヒドに代表される人体に有害なVOC(揮発性有機化合物)が原因だと考えられています。
 VOCは、合板やパーティクルボードなどの建材や家具材の接着剤、壁紙の接着剤、防蟻・防腐剤として用いられています。常温でも蒸発し数年間にわたって室内に放散されます。
 対策としては、有害な化学物質の抑制と室内の換気を十分に行い化学物質の濃度を薄めることが重要だとして、建築基準法が改正されました。どの程度の濃度でシックハウス症候群の症状を起こすかは、人によって大きな差があるので“絶対安全”というラインを引くことは難しいのですが、今後減っていく傾向にあると思います。
 こうしたなか、昔ながらの自然素材であれば、より安全で安心して暮らせるという認識を持つ人が増えました。そうして、実際に自然素材に囲まれた家に住んでみると、シックハウス対策としてだけでなく、新たな住み心地の良さを“発見”することにもなったのです。


自然環境の現実を知り素材を選ぶ
 

 可能な限り自然素材を使ってマイホームを建築したというご夫婦は、次のように話しています。
 「施工をお願いした工務店さんに案内されて、山と製材工場を見学してきました。それは自分の家に使う木を選ぶためです。杉の伐採現場まで山を登り、この杉の木がいいと、決めることができるんです。
 大黒柱に使う木だけを決めて、後はお任せしたのですが、選んだ木に赤いひもを結びつけてきました。その赤いひもの付いた木が伐採され、麓の製材工場で木材になり、現場に運ばれるまでの写真を林業家の方が送ってくれました。
 間違いなく、この大黒柱は私たちが山まで出かけていって、選んだ杉です。そう思うとこの家にとても愛着がわきます。それと、自然を相手にする仕事がいかに大変であり、いま林業が苦境に立たされている現状などが分かり、勉強にもなりました」。
 と、マイホームの室内環境のことだけでなく、大黒柱の杉を自分で選ぶという体験を通じて、自然環境の現状も知ることができたと感激しています。おそらく、森林や樹木を見る目が以前とは変わったに違いありません。
 このご夫婦のような体験は誰もができるというものではありませんが、自然素材のいいところは、そのアイデンティティなりルーツをある程度想像できるところにあるのではないでしょうか。愛着や親しみの持てる素材というのは、人間との付き合いの長さと比例するような気がします。
 木、草、土、石は最も古くから人間が利用してきた建築素材です。それだけに、これらの素材で造られた建物には違和感を感じることなくとけ込めます。さらに、長い風雪に耐えた建物には畏敬の念さえわいてきます。世界遺産に登録されている多くの建物は、自然素材と人間の英知の結晶といえ、そこのところに誰もが感動するのでしょう。


“環境にやさしくなれる”自分をさがす
 

 自然素材に関心が向くと、その反動とでもいうのでしょうか、科学技術を否定する風潮も生まれてきています。しかし、自然素材と科学技術を対立するものとして捉えるのは間違いです。本来、科学技術は人間の営みを豊かにするために生まれてきたものです。もちろん、その技術を悪用したり濫用することは慎まなければなりません。
 杉の木を伐採するためにチェンソーが使われ、住宅の省エネ化には断熱・気密の技術が有効であるように、決して否定できるものではありません。それでも、心のどこかに対立させたい気持ちがわいてくるとすれば、科学技術のなかにどっぷり浸かって生活することに疲れてきたということでしょう。特に都会人にその傾向が強くなっています。
 話は少しそれますが、アメリカにアーミッシュと呼ばれる人たちがいて、彼らは電気、電話、自動車を使わず、家族単位で農業を営み質素な暮らしをいます。宗教上の教義に則り現代文明を拒み平和主義を貫いている人々です。ハリソン・フォードが主演した「目撃者」という映画でアーミッシュの生活が描かれていますが、見た方も多いのではないでしょうか。日本ではアーミッシュ家具の人気が高いようです。
 私は、アーミッシュの生活スタイルに憧れる気持ちはありますが、とても自分にできないことも分かっています。彼らの生活スタイルから学ぶことができるのは、“環境にやさしい”ものを選ぶだけでなく、“環境にやさしくなれる”自分を見いだすことではないかと考えています。