省エネ・温暖化防止・リサイクルに貢献するグラスウール断熱材
 


 ところで、環境問題ってなんだろう?


サハラ砂漠に469km四方の太陽電池を設置すれば、全世界のエネルギー需要が賄える。

わが国の太陽光発電は世界1位
 

 クリーンエネルギーの代表格といえば、太陽光発電と風力発電です。わが国の太陽光発電は世界1位、風力発電が世界10位です。2002年における全世界の太陽光発電導入量は131.2万kWであり、そのうちの48.5%にあたる63.7万kWを日本が発電。2位がドイツ27.7万kW、3位アメリカ21.2万kWと続います。
 それだけに、私たちの身近で太陽電池パネルを搭載した住宅を見かけることができます。こうした住宅に出会うと「ウーン、進んでるな!」とか「電気代、タダなんだ!」と羨ましい気持ちがわいてきます。それは、そこの住人が“環境”を先取りしていることと、自前の“発電所”を持っていることに対して、素直に敬服できるからでしょう。
 自前の発電所で象徴的な出来事がありました。10年前の阪神・淡路大震災では広範囲に停電しました。そうしたなか、窓から灯りの漏れている家が一軒だけあり、近所の人がその灯りに誘われてたくさん集まってきたそうです。
 その家では、太陽光発電で充電したバッテリーから照明の電力を賄っていたのです。被災者にとって、暗闇に浮かぶ灯りは希望の光だったのではないでしょうか。


太陽エネルギーをどう捕まえるか
 

 ところで、使ってしまえば枯渇してしまう化石エネルギーに対して、太陽光、風力などの再生可能エネルギーが注目され、将来を担うエネルギーとして期待されています。
 しかし、エネルギー源別の世界エネルギー生産比率(1998年)をみると、風力が0.04%、太陽光が0.009%、合わせても僅か0.05%にすぎないのです。ちなみに、石油37.5%、石炭21.8%、天然ガス21.1%、原子力6.0%と続いています。
 こうした厳しい現実も知っておく必要があります。太陽光、風力によるエネルギー源の割合がまだ低いのは、化石燃料に比べて競争力がないからです。これまでのところ、公的な資金と税制優遇策によって実現させた数値なのです。
 でも、現状の数値だけをみてガッカリすることはありません。太陽が地球に投入しているエネルギー量は莫大で、全世界のエネルギー消費量の約7,000倍にもなります。こんなエネルギー源はどこを探してもないことは明らかであり、しかも無尽蔵、タダなのです。問題は、いかに経済的に見合うかたちで、太陽エネルギーをキャッチできるかということです。
 架空の話ではありますが、一辺469kmの正方形のスペースを太陽電池で覆うと、全世界のエネルギー需要が賄えるといわれています。この試算の根拠は太陽エネルギーの平均流入量を300W/m2とし、太陽電池の効率を20%とします。
 全世界で使われているエネルギーは約410EJ(エクサジュール、エネルギーの単位)なので、これだけのエネルギーを太陽電池でキャッチするには、約22万km2のスペースがあればいいというのです。この面積を正方形にして換算すると一辺が469kmになります。
 469kmというと、東京から大阪位までの距離なので、確かにとてつもなく大きな正方形といえます。しかし、逆にそれくらいの面積に太陽電池を敷き詰めれば、全世界のエネルギーが賄えるというなら、大したことないじゃないか、という気にもなります。
 このイメージした正方形を、灼熱の太陽が照っている以外に何の取り柄もない(こんな表現は当地の人に怒られるかのしれないが)サハラ砂漠に持っていくのは、とても素晴らしいアイデアではないだろうか。
 この世界最大の砂漠の面積は約1,000万km2といいますから、その正方形が45個も入ってしまいます。それなら、2、3個と思いたくなるくらい広いのです。とはいえ、もしこのプロジェクトが採用されたとしても、太陽光発電所を一箇所に集中させたりはしないでしょう。テロリストに攻撃されたら終わりですから。
 いずれにしても、太陽光発電が化石エネルギーに負けないくらいの価格競争力を持つようになれば、架空のプロジェクトも夢物語でなくなります。
 CO2削減に投入されるべき先進国の資金を国際レベルで集中させ、太陽光、風力など再生可能エネルギー開発に特化させる方が、より早く地球温暖化問題が解決できるという意見もあるくらいです。


サッカー場の屋根に太陽電池を
 

 環境立国といわれるドイツは、風力発電のウエイトが太陽光発電よりも相当上回っていますが、再生可能エネルギー開発に賭ける意気込みは大変なものです。それなら、この目で確かめようということで、私は数年前、取材に出かけました。
 スイスとフランス国境に近いフライブルグ市でおもしろい話を聞いたので紹介します。フライブルグ市は“環境”で町おこしに成功したことで有名になり、世界中から視察者が訪れ、その観光収入が市を潤しているということでした。
 同市にはサッカーチームがあり地元ファンが一生懸命応援しており、当然、サッカー場もあります。そのサッカー場の屋根というかひさしの部分に太陽電池パネルを設置して発電しようという計画が持ちあがりました。
 発電した電力を電力会社に売ることで収入が得られ、クリーンエネルギーの活用もアピールできる、というのが同市の狙いです。しかし、問題は太陽光発電システムを設置する費用をどう捻出するかです。
 関係者がいろいろ頭をつかって考えついたのは、市民に出資してもらうことでした。太陽電池パネル2枚分だったと思いますが、その費用約50万円を一口として募集。発電した電力を売って出た利益を配当することにしたのです。
 試算では10数年で出資金が戻り、その後はちょっとした副収入になるというわけです。また、市民の「環境問題に積極的に参加している」という善行意識への期待もあったようです。
 新聞に募集広告を出してアピールしたのですが、結果は惨敗で応募してきたのはたったの3人だったそうです。そこで、この計画が立ち消えになったかというと、そうならなかったところがおもしろい。
 苦肉の策として打ち出したのが、出資者にサッカー場の一番良い席を優先的に割り当てる特典を用意したことでした。この特典に市民は飛び付き、3日間で募集口数がすべて売れてしまったというのです。
 私は、サッカー場の屋根に登り居並ぶ太陽電池パネルを眺め、眼下に広がる芝生のみどりを見つめながら“やるもんだなぁー”と感心したのでした。