グラスウール(短繊維)の安全性

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グラスウール(短繊維)と、アスベストの違いについて

アスベストは天然の結晶性鉱物繊維で、1ミクロン以下の極めて細い繊維の集合体(束)なので、容易にタテに割れて細くて長い繊維になり、肺の奥深く、肺胞にまで到達してしまいます。 生来持つタフさから体内の免疫機能に対する耐性が強く、また体内でさらに割れて細い繊維になり、肺胞等に刺さったまま排出されずに異物として生涯体内に留まり、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
一方、グラスウールは人工的に製造された非晶質繊維で、折れても繊維の太さが変わりませんので、肺奥まで到達しにくく、仮に到達しても体液に溶け易く、短期間で体外に排出されます。

グラスウールとアスベストは、生まれも育ちも性質も全く異なる赤の他人です。

グラスウール(短繊維)は、人工繊維

グラスウールは、その原料の 85 %以上が板ガラスとかビンを粉砕したカレットで、それに厳選された組成調整用原料を加え再溶融・繊維化し、バインダー(繊維結合剤)を加えた工業製品です。 そのためグラスウールの原料にも製品にも、アスベストが混ざることはまったくありません。

アスベストは、天然繊維

アスベストは、地球の自然が造った極めて細かい繊維の束からなる結晶性の繊維状鉱物です。 鉱物をほぐすことにより繊維として取り出されます。 値段が安く、熱・火にも種々の薬品にも強く、また摩擦などにも優れた耐久性を持ち、まさしく万能の繊維であることから、車、設備、建築用途をはじめ種々の分野で広く用いられていました。 日本へは戦後経済復興と共に大量に輸入され、最盛期には年間 35 万トンにも達しました。

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グラスウール(短繊維)と体内への吸入について

グラスウール(短繊維)

<グラスウール(短繊維)>
折れても太さが変わらず、肺奥に到達しない

アスベスト

<アスベスト>
細く繊維状に裂け、肺に吸収されやすい

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グラスウール(短繊維)と発がん性について

通常の取り扱い作業では、がんをはじめとする呼吸器系の疾病を起こす危険性はまったくありません。また、通常の呼吸では、体内の防御・免疫機能の働きによって、発がん等の健康への影響にも心配はありません。
数多くの調査・研究において、人に対する発がん性を示す可能性が認められないことから、2001年10月に国際がん研究機関(IARC)は、IARCはグラスウールを含む人造鉱物繊維の発ガン性リスクを再評価し、<Group 3>に改正しました。
<Group 3>とは、 「ヒトに対して発がん性に分類されない」という評価で、ウレタンやスチレン等より上のランクで、ナイロンやお茶等と同レベルの高い安全性が証明されました。これは、事実上グラスウールの国際的な安全宣言と言えます。

Group 1 ヒトに対して発がん性がある アスベスト、たばこなど
Group 2A ヒトに対して発がん性でありうる 熱いマテ茶、レッドミート(ほ乳類の肉)など
Group 2B ヒトに対して発がん性の可能性がある ガソリン、ピクルス、コーヒーなど
Group 3 ヒトに対して発がん性に分類されない グラスウール(短繊維)、ナイロン、紅茶など
Group 4 たぶんヒトに対して発がん性がない カプロラクタム1品種のみ

※IARCモノグラフ2016年4月現在

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グラスウール(短繊維)と、皮膚のかゆみについて

グラスウール(短繊維)製品がチクチクするのは、直径4〜8ミクロンの繊維が皮膚にくっついて表面に物理的な刺激をあたえ、一過性のかゆみを感じさせるから。ウールのズボンやセーターが素肌に触れるとチクチクするのと同じ現象です。
不快な刺激を避けるためには、加工や施工作業の時皮膚をガードする手袋や長袖の着衣、保護メガネや帽子などを使用することをおすすめします。

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グラスウール(短繊維)製品と、住宅の安全性について

グラスウール製品には飛散防止剤が入っています。一度施工されたグラスウールからの再飛散はほとんどありません。
実際に施工された住居やビルの環境測定でも、その濃度は戸外と同レベルの極めて少ない数値でした。
住宅の汚染化学物質としてホルムアルデヒド放散量が注目されています。合板や塗料、接着剤が放出するホルムアルデヒドに比べ、グラスウールからの発生量は極めて少なく、全て使用規制を受けない F ☆☆☆☆等級の製品ですので、室内環境への影響はありません。
グラスウール製品の4VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の放散量についても基準値以下であることが確認されています。

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