結露対策
結露は住まいの代表的なトラブルです
結露とは、空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる現象です。特に、暖かい空気が冷たいものに触れると発生しやすく、例えば冷えたコップにつく水滴や、窓ガラスの曇り、
窓サッシにつく水滴などがその例です。住宅内部で結露が発生すると、さまざまなトラブルの原因となります。
まず、結露によって窓が濡れたり、壁が湿ったりすると、カビが発生します。カビの胞子やダニの糞・死骸が空気中に浮遊し、それをエサにするダニも発生します。
カビやダニは、ぜんそくやアトピーなどのアレルギーの原因としてよく知られています。また、結露は汚れの原因にもなり、家の外観を損ねることにもつながります。
さらに、結露が壁の内部など目に見えない場所で発生すると、拭き取ることができません。そのまま放置すると、住宅の土台や構造材、外壁までも腐らせる恐れがあります。
結露のメカニズム
結露の種類と対策
結露は、発生部位の違いによって「表面結露」と「内部結露」に分けられ、さらに季節によって「冬型」と「夏型」があります。つまり、結露は4種類に分類されます。
表面結露とは
内部結露とは
冬型・表面結露とは、室内の暖かい空気が冷たい表面に触れることで、空気中の水蒸気が凝縮して発生する結露のことです。特に断熱性能が低い窓や壁、室内の熱が届きにくい収納部などで起こりやすいです。
対策としては、断熱性能と気密性能を強化して、冷えた部位を作らないことが重要です。
また、室内の湿度を適切に管理することも重要です。
加湿器を使用する際は、湿度が高くなりすぎないように注意しましょう。
冬型・内部結露とは、室内の水蒸気が壁や床の内部に侵入し、そこで冷えた部位に凝縮して発生する結露のことです。
基本的な対策としては、室内からの水蒸気を構造内部に入れないこと(防湿・気密)と、入った水蒸気を外側へ透過させることです。
具体的には、室内側に防湿気密シートを施工して湿気の流入を防ぎ、通気層を用いて湿気を外部へ排出する仕組みを作ることが一般的です。
夏型・表面結露は、例えば、蒸し暑い日に冷房で冷やされたガラス窓の外部で発生します。
対策としては、窓の断熱性能を上げて室内の冷たさを外に逃がさないことが重要です。
また、タンスや戸棚、ソファーなどの家具が壁や窓に接していると、そのすき間で空気がよどみ湿気が溜まりやすくなるため表面結露のリスクが高まります。
この場合、エアコンによる除湿や換気扇による排湿が基本的な対策になります。
夏には、涼しい床下や地下室に夏の蒸し暑い空気が入り込むことでも表面結露は発生します。この場合、換気を抑えて除湿することが対策となります。例えば、床下や地下室に除湿機を設置し、湿気を取り除くことで結露を防ぎます。
夏型・内部結露は、夏の蒸し暑い空気が外部から構造内部に入り、冷房で冷やされた室内の内装下地に触れて発生します。また、日射により構造内部の木材から水分が放出されることも結露を助長します。
対策としては、壁や屋根に通気層を設け、万が一侵入した湿気を外部へ排出できる構造にします。通気層には夏の日差しによる外壁材の加熱を和らげる効果もあります。
また、構造材には初期含水率の低い材料を使用し、すだれやシェードを活用して外部からの強い日射を遮蔽することで構造部内の温度上昇と水分放出を抑える方法も結露対策には効果的と考えられます。
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